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月別アーカイブ: 2020年7月

ハンドメイドアクセサリーで使う「バチカン」を製作した事例

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今回ご紹介する事例は、ハンドメイドアクセサリーで使用する「バチカン」という金具を製作した事例です。

 

「バチカン」は、ネックレスチェーンとペンダントトップを繋ぎとめる役割を持つ

使用したことがある方ならご存知かと思いますが、バチカンは「カン金具」の一種で、主にネックレスチェーンとペンダントトップを繋ぎとめる役割を持っています。

通常のバチカンのほか、「開閉式」という種類のものもありますが、今回製作したのは通常のバチカンです。

 

◆ネックレスの製作で良く使われるカン金具には「Aカン」というものもある

 

ネックレスの製作で使われるのは、バチカンだけではありません。

バチカンは、円状になっているカン金具なので、厚みのあるペンダントトップだと通らないことがあります。その弱点を克服したのが「Aカン」というカン金具です。

Aカンは、字のとおり「アルファベットのA」のような形状をしたカン金具で、両端にある細い突起部分をペンダントトップに通すことでネックレスチェーンと繋ぎ合わせることが出来るようになります。

 

挟み込むようにして使うので、厚みのあるペンダントトップにも対応が可能です。

 

カン金具にはほかにもさまざまな種類がありますので、興味がある方は、以下の記事も是非読んでみてください。

意外と知らないカン金具について|種類ごとの使われている場所と製作実績を併せて紹介

 

厚さ約1mm!バチカンの製作における注意点

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ここからはバチカンの製作における注意点を紹介していきます。

バチカンを製作する際の注意点として、大きく分けて以下の3つがあります。

  • ・金具の両端がしっかり噛み合うようにする必要がある
  • ・硬すぎず、やわらか過ぎずな仕上がりを実現する
  • ・外気にさらされ続ける部分なので、耐久性・耐食性のある素材を選ぶ

これらについて、詳しく見ていきましょう。

 

◆金具の両端がしっかり噛み合うようにする必要がある

 

バチカンはペンダントトップを通した後、開いた両端をヤットコなどで閉じなければいけません。

しっかりと噛み合う形状になっていないとペンダントトップが外れやすくなってしまいますので、両端の形状調整は慎重に行いました。

 

◆ 硬すぎず・やわらか過ぎずな仕上がりを実現する

 

上述したように、バチカンはヤットコなどを用いての開閉が必要になります。

そのため、開閉のしやすさに重きを置いて設計する必要があるのですが、やわらかすぎてしまうと今度は変形しやすくなり、意図せず破損してしまう原因にもなってしまいます。

硬度の絶妙なバランスを実現することに細心の注意を払いました。

 

◆外気にさらされ続ける部分なので、耐久性・耐食性のある素材を選ぶ

 

ネックレスは身につけるものなので、当然、外気にさらされ続けることになります。

そのため、耐食性(錆びにくさ)や耐久性(長期間使い続けられるか)が大事になってきます。

さらに、ご依頼主様の理想の色味もありますので、素材選びに関する打ち合わせは特に綿密に行いました。

 

まとめ:特注金具の製作は信頼できる製作所へ相談することがオススメ

今回は、バチカンというカン金具の製作事例を紹介しました。

記事内でも紹介したように、カン金具はさまざまな種類がありますが、「ピンポイントで理想を実現するためのカン金具」は、市販の規格では見つからないことがあります。

 

「こんな特徴のものがほしい」という場合は、一度製作所にご相談いただくことで「理想を実現する正解の金具」が見つかるかもしれません。

ハンドメイドで使用するバチカン(カン金具)の製作を検討中の方は『杉原産業』まで!

真鍮製の金属バックルを2種類の素材で軽量化した事例|素材による違いを解説

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今回ご紹介するのは、真鍮製のバックルを軽量素材で作り変えた事例です。

実物の持ち込みがあり「この形状で軽量化できないか」とご相談に来られたことがきっかけでした。

 

早速重量を測ってみたところ、真鍮製のバックルは58gほど。

より軽量の素材をリストアップし、提案していく形をとりました。

 

真鍮素材は経年によって色がくすんでしまうことが多い

まず、真鍮素材の製品について少し解説します。

真鍮は鋳造や加工がしやすく、古くから多くの金属加工業者で取り扱われている素材です。

独特の重厚感があり、仕上がりも煌びやかなので、金属系のアクセサリーなどで使用する素材として人気があります。

 

しかし、湿気に弱いというデメリットがあり、使い続けることで徐々に黒ずんできたり、もともとの煌びやかな色合いがくすんでしまいます。

「それも真鍮のいいところ」という方も多いですが、一方で「だめな部分だ」と考える方がいることも事実です。

今回のご依頼主様は、バックルの色がくすみ、輝きがなくなってきたことでも少しお悩みのご様子でしたので、2種類の金属素材をご提案し、サンプルとしてご確認いただきました。

 

軽量化を実現しつつ、長期間使用しても色がくすみにくい「アルミ」と「スズ」を提案

今回、当社『杉原産業』からご提案した素材は「アルミ」と「スズ」の2種類です。

それぞれの写真から、各素材の特性を紹介します。

 

◆「アルミ」は金属素材の中でもトップクラスの軽さを誇る|製法によっては傷つきにくくすることも出来る

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まず1つ目は、アルミのご紹介です。

簡単にまとめると以下のような特徴を持ち合わせている素材です。

  • ・金属素材の中でもトップレベルの軽さを誇る
  • ・やわらかく加工しやすい
  • ・傷つきやすい(アルマイト処理で軽減可能)

アルミというとアルミホイルや缶などのイメージが強く、「安っぽい」というイメージを持たれる方もいるかもしれません。

実際、軽量で加工しやすいため、生活の一部として使われるものの素材として認知されています。

 

しかし、アルミは現在、鉄や銅に並ぶほどポピュラーな金属素材であることをご存知でしょうか?

例えばアルミの特徴として、軽量であること以外に、通電性・熱伝導率・反射性が高いというものがあるのですが、この特徴を活かして「飛行機の機体」や「スマートフォンの部品」「宇宙服の素材」など、さまざまな分野で使われているのです。

 

金属素材としてはトップレベルの軽さを誇ること(今回製作したバックルはわずか14.5g)が大きなメリットですが、「やわらかさ」という特徴でみると「傷がつきやすい」というデメリットがアルミを使用する上での懸念材料です。

しかし、アルマイト処理を施すことで、「傷のつきやすさ」という特性を軽減することも出来るため、一概に「傷がつきやすいから駄目な素材だ」とは言い切れません。

 

◆「スズ」は錆びにくく、高い抗菌作用を持つことが大きな特徴

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続いて、「スズ(錫)」の紹介です。

スズの特徴としましては、

  • ・酸化しにくく、錆びにくい
  • ・高い抗菌作用
  • ・アルミ同様、やわらかいので変形しやすい

上記の3つが代表的な特徴です。

写真を見ると、アルミに比べて少し光沢が綺麗なようにも見えますね。

アルミ同様に、熱伝導率が高く、タンブラーの素材としてもよく使われています。

 

錆びにくい素材なので、定期的に手入れをすることで「仕上がり時の状態を保ったまま」長く使うことができ、愛着がわきやすいのがスズの良さといえるでしょう。

製作したバックルの重量は46.3gと、アルミよりも重量がありますが、それでも真鍮よりは軽くすることが出来ました。

 

まとめ:どの金属素材を使うかで仕上がりも大きく変わる!悩まれているなら、是非金属加工業者に相談を

今回は、お客様のご要望にあわせて2種類の金属素材でサンプルを製作した事例を紹介しました。

金属素材はかなり種類が豊富で、今回のようにどの素材を使うのかによっても大きく変わりますが、同じ素材を使って変化をつけることが出来る場合もあります。

例えば、ステンレスなどはその代表格で、用途に応じてさまざまな規格に分かれており、少し規格を変えるだけで、まったく違う特性のものが出来たりします。

 

素材に関しては一長一短であることも多いですが、お客様の理想により近づけるために、杉原産業では、要望にあわせた素材の提案なども行っています。

金属素材で何かお困りのことがあって製品の作りかえを検討している方は、是非一度杉原産業までご相談ください!

チェンジボタンの留め具に使用する『Gリング』を製作した事例

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今回紹介するのは、チェンジボタンの留め具として使用する『Gリング』を製作した事例です。

 

そもそも『Gリング』とは?

そもそもGリングとは、どういった用途で使われるものかご存知でしょうか?

Gリングは、チェンジボタン(ミリタリー系のアパレル商材)における、留め具の役割を果たします。

形状は2重カンなどのカン金具に似ていますが、用途としては「チェンジボタンの留め具」という側面が強いため、カン金具とは別のものとして考えるべきでしょう。

 

ただ、アンティーク調のキーケースなどでも使われていることがあるため、カン金具としての用途が無いわけではなく、分類するのは難しい金具です。

 

◆弾性のあるバネ材を使用しており、2重カンにも近い性質を持っている

 

Gリングを製作する際の材料としては、「バネ材」が用いられることが多いです。

これは、2重カンにも使われる材料で、弾性が高く少し力を加えただけではなかなか変形しない特性があります。

形状だけでなく、材料もカン金具と同じなので、「カン金具と何が違うの?」という疑問をもたれる方は少なくありませんが、あくまでも「Gリング」という名称の金具であることを知っておいて損はないかと思います。

 

今回は大量生産のご依頼だったため、納期や個数などを打ち合わせしながら決めた

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今回のご依頼は、アパレル関係の業者様からのご依頼だったため、生産個数が比較的多い案件でした。

大量生産の場合、依頼のタイミングによっては過去に短納期での納品実績のあるものでも少し時間がかかってしまうことがあります。

今回も事前に納期に関する打ち合わせを行い、双方の意向が合致してからの製作となりました。もし「いつ頃までにほしい」というご要望がありましたら、気兼ねなくご相談ください。

 

まとめ:杉原産業なら大量生産から小ロットの生産まで幅広く対応可能

Gリングはサイズがかなり小さいので、どちらかといえば大量生産向きの金具です。

「個人製作のために小ロットで作りたい」と思っても、なかなか相談に乗ってくれる製作所がなかったり、個人での依頼を受けてくれないことも珍しくありません。

しかし、当社『杉原産業』では、大量生産はもちろんのこと、小ロットでの製作依頼も受け付けております。

 

「小ロットでの製作を検討している」「ほかの製作所ではなかなか受けてもらえない」という方が、頼みの綱として当社まで相談に来られることも少なくありません。

Gリングの製作をご検討中の方は、是非一度『杉原産業』までご相談ください!

真鍮製のカラビナをアルミ製に作り変え!アイデアが新製品の開発に繋がった事例

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今回紹介するのは、真鍮製のカラビナをアルミ製に作り変えた事例です。

また、今回の事例を通して生まれたアイデアから、新製品の開発に繋がりましたので、そちらもあわせて紹介します。

 

「より軽く、開閉しやすいカラビナがほしい」というご依頼がきっかけ

ことの始まりは、とあるご依頼主様から「この真鍮製のカラビナは開閉しにくくて、物自体も少し重量があります。何とかなりませんか?」とご相談いただいたことです。

そこから何度か打ち合わせを行い、より軽量の素材であるアルミを使用することになりました。

 

◆開閉しやすい形状とはどのようなものか、試行錯誤が始まった

 

打ち合わせの後、「開閉しやすい形状とは、どのようなものなのか」という部分での試行錯誤が始まりました。

設計してはやり直し、度重なる設計を繰り返して完成に至りました。

 

試行錯誤の末、カラビナが完成|高い機能性とデザイン性を実現した

上記の写真が、完成したカラビナになります。

「開閉しやすさ」という部分において、従来のものとは大きく変わった点が2つありますので、ここからはその大きな2つの変更点について紹介していきます。

【1】可動部分を長くし、カギ爪状の部分を短くした

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1つ目の大きな変更点は、「可動部分の長さ」です。

冒頭に掲載した写真の左側に写っているものが「真鍮製のカラビナ」になるのですが、可動部分が短く、指で押してもなかなか動きにくいという弱点がありました。

そのほか、可動部分が短いことで、「可動部分を動かして開けたものの、指が遮って取り付けたいものをつけられない」といったことも発生してしまいます。

 

設計の試行錯誤中、「可動部分を長くすれば、余裕が生まれるのではないか」という部分に気づき、今回その案を採用しています。

 

【2】可動部分の形状を、より力がかかりやすい形状に変更

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2つ目は、可動部分の形状の変更です。

くぼみを作ることでかけた力が伝わりやすくなり、従来のものよりも開きやすくなっています。

くぼみを作った結果デザイン性にも違いが生まれ、より曲線的なデザインに仕上がりました。

 

まとめ:高い機能性とデザイン性が評価され、商品化することに

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今回完成したものをご依頼主様に確認していただくと、機能性(開閉のしやすさ)と、デザイン性の高さに大変満足しているご様子でした。

当社『杉原産業』としましても、試行錯誤の中から生まれた製品ですので、何とかこのカラビナを広めることは出来ないだろうかと思案していくうちに「商品化してみよう」、という一大プロジェクトに発展しました。

こうして、その後仕様書などを作成し、「より軽量で、安定性・実用性を兼ね備えたカラビナ」のサンプル(上記写真)が完成。ご依頼がきっかけで、新製品が生まれるという珍しい事例でした。

 

杉原産業では、お客様のアイデアをかなえるための努力・工夫を怠りません。

だからこそ、何気ないご相談や、ご意見・ご感想などから、新しいアイデアが生まれることもあります。

「お客様と一緒に作り上げること」をモットーに、今後も励んでいけたらと思います。

 

既存商品の作り変え(改良)を検討中の方は、是非一度杉原産業までご相談ください!